前回、ダイエットには運動と食事制限が重要という話をしました。
今回は具体的にどのような栄養条件にするべきであるか論文などの根拠をもとに計算をしていきます。
計算がざっと並んでいて、まとめて読むのが面倒だという方は、「5.マクロ栄養素のまとめ(体重55kg・65kg・75kgの場合)」の表をみてもらうだけでも構いません。
筋肉を減らさずに脂肪を優先的に減らすためには、適切な 総摂取カロリー と マクロ栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物) のバランスが重要です。ここでは、最新の研究をもとに具体的な数値を紹介します。

総摂取カロリー(Total Caloric Intake)
💡 基本原則:
- 体重を減らすには 摂取カロリー < 消費カロリー の状態を作る必要がある
- しかし、カロリーを減らしすぎると筋肉も失われる ため、適度な制限が重要
✅ 目安となるカロリー設定:
- 消費カロリー(TDEE)から10~20%減
- 基礎代謝量(BMR) × 活動レベル(TDEE)を計算し、200~500kcalマイナス
📌 例:TDEEが2,200kcalの場合
➡ 1,700~2,000kcalの摂取が適切
📖 根拠:
📖 Helms et al.(2014)による研究では、10~20%のカロリー制限が筋肉を維持しながら脂肪を減らすのに最適とされる
📖 Helms, E. R., Aragon, A. A., & Fitschen, P. J. (2014). “Evidence-based recommendations for natural bodybuilding contest preparation: nutrition and supplementation.”
タンパク質(Protein)
💡 役割:
- 筋肉の維持・回復に不可欠
- カロリー制限中は通常より多く摂る必要がある
✅ 推奨摂取量:
- 体重1kgあたり1.5~2.0g
- 体重70kgの人なら 105~140gのタンパク質
✅ カロリー換算:
- 1gのタンパク質 = 4kcal
- 420~560kcalをタンパク質から摂取
📖 根拠:
📖 Morton et al.(2018)によるメタ分析で、1.6~2.2g/kgのタンパク質摂取が筋肉量維持に最適とされる
📖 Morton, R. W., Murphy, K. T., McKellar, S. R., et al. (2018). “A systematic review, meta-analysis, and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training–induced gains in muscle mass and strength.” British Journal of Sports Medicine.
脂質(Fat)
💡 役割:
- ホルモンの生成や代謝の維持に不可欠
- 極端に減らすと テストステロン低下・エネルギー不足のリスク
✅ 推奨摂取量:
- 総摂取カロリーの20~25%
- 1,800kcal摂取の場合 → 360~450kcalを脂質から摂取
- 40~50gの脂質が目安(1g = 9kcal)
📖 根拠:
📖 Mettler et al.(2010)の研究では、適度な脂質摂取(20~30%)が筋肉維持に最適と報告
📖 Mettler, S., Mitchell, N., & Tipton, K. D. (2010). “Increased protein intake reduces lean body mass loss during weight loss in athletes.” Medicine & Science in Sports & Exercise.
炭水化物(Carbohydrates)
💡 役割:
- トレーニングのエネルギー源
- 炭水化物不足は パフォーマンス低下・筋分解リスク増大
✅ 摂取量の決め方:
- 総カロリーからタンパク質と脂質のカロリーを引いた残りを炭水化物に充当
📌 例:1,800kcalの食事
- タンパク質 140g(560kcal)
- 脂質 50g(450kcal)
- 残り 790kcalを炭水化物に充てる → 約198gの炭水化物(1g = 4kcal)
📖 根拠:
📖 Burke et al.(2011)「Carbohydrates for training and competition」Journal of Sports Sciences.
マクロ栄養素のまとめ(体重55kg・65kg・75kgの場合)
栄養素 | 体重55kg | 体重65kg | 体重75kg |
---|---|---|---|
総カロリー | 1,650~1,900kcal | 1,750~2,000kcal | 1,850~2,100kcal |
タンパク質 | 82.5~110g(1.5~2.0g/kg) | 97.5~130g(1.5~2.0g/kg) | 112.5~150g(1.5~2.0g/kg) |
タンパク質カロリー | 330~440kcal | 390~520kcal | 450~600kcal |
脂質 | 36~48g(総カロリーの20~25%) | 39~50g(総カロリーの20~25%) | 41~55g(総カロリーの20~25%) |
脂質カロリー | 324~432kcal | 351~450kcal | 369~495kcal |
炭水化物 | 約179~238g(残りのカロリー分) | 約188~243g(残りのカロリー分) | 約198~250g(残りのカロリー分) |
炭水化物カロリー | 約716~952kcal | 約752~972kcal | 約792~1,000kcal |
ポイント
✅ 体重が少ない人ほど総カロリーも少なくなるため、バランスよくマクロを配分
✅ タンパク質は体重1.5~2.0g/kgを目安に摂取
✅ 脂質は最低20%を確保し、炭水化物で調整
この計算に基づいて食事を調整すれば、筋肉を守りながら脂肪を落とすダイエットを効率的に行うことが可能になります!
次回は、より具体的に取り組むために、どのようなアプローチでメニューを検討すべきかを描いていきます。
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